VTRのスイングアームピボットベアリングの交換

どうも!

てくきかです。

 

突然冬らしい寒さがやってきました。

北風がピューピュー吹いて青空整備には厳しい時期です・・・。 

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今回はリア周りのメンテナンス。

フロントほど意識はされにくいリアですが、

メーターが戻されていなければ66000km走っているこのVTR。

おそらく普通に乗っているとグリスアップされることもなく乗り物としての運命を終えてしまいがちな部分ではありますが、

車体の荷重がこの部分に掛かる訳で、僕らはここからインフォメーションを掴んでまだイケるとかもう無理とか判断しているわけです。

 

新車組立時にうっすら塗布されただけのグリスで、作業員がとりあえずインパクトでドドドッとピボットシャフトを締め付けただけだとせっかくの摺動も犠牲にしているかもしれないし、製造から15年も経てばグリスも切れてしまっているかもしれない。

 

もう少しリアからのインフォメーションが細かく入ってきたらいいな→リアサスを変えてみよう

 

ってよりは

まずは車体のコンディションを整えようってことで

スイングアームピポッドのメンテってな感じです。

 

まずはスイングアームの手配から 

 今のVTRの走行距離が70000km近いところを考えると

おそらくピボットシャフトも、カラーも摩耗してるだろうと予測。

ベアリングだけならともかく、シャフトなどに地味に小物関係でお金が掛かる。

新品部品はBESTな判断ではありますが、ごくごく普通の一般人故にそんなにお金もかけられない。

そういったときは取捨選択になりますし、自己責任ではありますが、値段が安ければ中古部品の再利用も手ですね。

 

ヤフオクには距離浅バイクから過走行バイクまでの取り外しであろうスイングアームがゴロゴロしています。

 

フロントフォークは需要はありますが、スイングアームの交換をするなら廃車レベルですものですねw

 

今回は500円でスイングアームをGETw

(走行は12000kとのことでしたが、果たして。笑) 

 

カラーを見た感じはアタリもなくて摩耗も無いのでなんだかこのまま使えそうではありますが

せっかくなのでベアリングの打ち換えをしてから

ゴッソリと現車についているものと入れ替える作戦とします。

 

ということでピボットベアリングの交換 

↓ 必要なものはこちら↓

・HONDA: 91203GC8003

オイルシール 24X31X3.5

・HONDA: 91071MT7003
ベアリング,ニードル (NT 

・HONDA: 91202MAL601

ダストシール 25X33X4  →2個

・HONDA: 961006003010
ベアリング,ラジアルボール   →2個

・HONDA: 91214MAL601
ダストシール 23X35X5 

 

全部で2200円くらいでした。

 

 さて、実際の作業ですが

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まずはシールを全部取っちゃって

ベアリングを抜き取りましょう。

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ボールベアリング側座面があるので抜き取り方向に注意です。サークリップを取って、サークリップ側へ叩き出します。

 

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ニードルベアリング側貫通になっているのでどちらから抜いても問題なしです。今回はソケットをあてがって叩き出してますが、錆びて固着しているときは動き出すまでプーラーをかけてもいいと思います。

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抜けたら穴をきれいにしておきましょう。

 

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で、交換するベアリングにグリスをしっかり塗り込んでやったら挿入しましょう。

ボールベアリング側はソケットの27mmがアウターレースにぴったりでした。


写真はないですが、ニードルベアリング側は24mmのソケットがピッタリでした。

ニードルベアリング側は貫通なのでどこまでも入っていきますが、ダストシールの厚みを考慮しスイングアームの面から4mmになるように入れていきます。

不安なら外す前に寸法を取っててもいいかもですね。

 

そんなこんなでスイングアームピボットベアリングの交換が終わったら

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スイングアームピボットナットを緩めて(固着してたのでインパクトで外しました)

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Rショックの取り付けを外し、、、

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ました。

これでスイングアームがフリーに動きます。

 

うーん、思ったほど動きは悪くない、、てのが本音です。

が、動きにゴリゴリとした抵抗ってよりはゴムが挟まっているような

ゴムを捻っている様なそんな感じ。

 

余談ですが、今回はジャッキアップを車用のガレージジャッキでエキパイ集合部にあけて上げています。

 

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 後はスライダーとかホースバンドを移植して、

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せっかくなんで66000km分のグリス塊を取って

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見切れちゃってますが、ピボットシャフトのナット締め付けトルク88N・m

ですが、いろいろ考えたのですが、スイングアームだけの状態で左右のガタが無くなるところが一番動きに支障のないところかな、と。

そんなに芯ズレすることもない筈ですが、所詮プレス+溶接しただけのスイングアームなのでそんなに精度はないでしょうしね。

まぁ、あくまでも競技として使う場合であって、いろんな要素が絡む日常使用であれば安全率がかかった88Nでの締め付けで良いとおもいます。

 

ということで動きを見ながら締めたところ、

ガタがなくなってもまだ締め付けできましたが、80N超えた辺りから動きが変わってきました。

ということで今回は80Nで締結しています。

もちろんガタはないし、動きにシャープさが出ました!確実に良くなっています。

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スイングアームがついたら後はメンテナンススタンドにかけてリア周り組んで完成です!